このページの目次
田舎移住する人が増えている
近年田舎に移住する人が増えています。定年後の60代以上夫婦が多いのかと思いきや、30代、40代で移住を希望する人が多いみたい。
十数年前、いやもっと前からずっと「都会に行く」てのは1つの選択肢でした。仕事も多いし、平均年収も多い、そして華やか。1度は憧れますよね。
かくいう私も都会にあこがれて東京に住んだことがあります。でも今は違います。いわゆる田舎移住者ですね。
住んでいる場所は一応「〇〇市」ですが、合併によってオマケとしてくっついたので、実質は「村」です。数年前までは〇〇村て場所です。
有名な歌にある、なんにもねぇてやつ。
朝は鳥の声で起きるし、夏はセミ、秋は鈴虫が鳴く。
これだけだと「田舎移住て最高じゃん」て方もいると思いますが、良いこともあれば悪いこともあります。
田舎移住を決めた理由は?
移住をしたい人は気になるはず。「移住する人はどういう理由が多いの?」てこと。自分が移住したい理由と近ければ参考になりますからね。
田舎移住を考えたきっかけは?
- 定年退職
- 特にない
- 子育て
定年退職が圧倒的に多いですね。30代で多いのが子育て、たしかに分かる。都会よりは田舎のほうが育てやすい気がします。「何で?」て聞かれるとはっきりと答えを持っていませんが、のびのび育つ気がします。
ウチは赤ちゃんがいるんですが、泣こうが騒ごうが隣に聞こえません。都会だとこうもいかず「マンションの隣部屋からドンて壁を叩かれるかも、泣き止ませなきゃ…」なんて不安に思う方も多いのではないでしょうか。
田舎だと迷惑どころか、赤ちゃんの声を聞くだけで涙するおばあちゃんすらいます。子供がほとんどいないので、とにかく歓迎ムードです。泣かせ放題です。(もちろんあやしていますよ)
私の田舎移住について
私のきっかけはどれでもなく、結婚で移住しました。移り住んだ場所は妻の実家で、私にとっては縁もゆかりもない所です。「じゃあ田舎移住じゃなくね?経験した人の話ききたい!」て思う方もいるでしょう。
私は田舎生まれですが、父が全国転勤の企業に勤めていたので子供の頃は引っ越しが多く、いろいろな県に住んできました。就職してからは東京にいましたし、今は縁もゆかりもない「村」に住んでいます。
転勤が多い家族は、転勤が多い家族や子供同士で繋がることが多く、子供ながらに色々なケースを見てきました。今の場所も、年に数名は移住者がくるので、移住者のリアルな状況を見ることが出来ます。
私の場合は田舎にどっぷり使っています。どっぷりというのは田舎を楽しんでいる、てことではなく、地域に関わっているってことですね。
悲しくなるのであまり書きたくないですが、妻の両親は病気がちで30歳で家長になりました。地域の集まりで70〜80歳が多い中、ぽつんと自分の子供よりも若いやつがいるわけですから。いろいろな点で経験しましたよ。そういったことから、ただ田舎移住してコミュニティーに入らない人よりも、リアルな部分は伝えれるかなと。
田舎移住失敗の声は参考にならない
「田舎に移住して失敗した」て声はネットにあふれています。私はwebの仕事をしているので分かりますが、ネットの声はあまり当てにならないよ、て言いたい。
田舎に移住すると友達とも離れるわけでして、愚痴があっても直接話せなくなっちゃうんですよね。だから、そういう愚痴をポロッとTwitterでつぶやいたり、ブログにあげちゃうわけです。人間はそもそも変化に弱いですから、ちょっと嫌なことがあると「失敗した…」て思うわけです。
例に上げると、新入社員が大変なのは当たり前で、みんなそれは分かっています。「就職失敗した…」なんてつぶやいているのを見ると「3年は頑張れよ!」て思う人は多いはず。それが田舎移住になると経験する人は少ないから「失敗した声だけ」を間に受けちゃうわけです。
そもそも田舎移住に成功した人はスローライフをしたいので、成功した声をサイトにあげるのはおかしいですよね。スローライフと矛盾します。かくいう私もネットを通してこの記事をあげているわけですが(笑)
ですので、話半分で聞いてくれれば大丈夫です。もちろん誰かの役に立ちたいと思ってリアルを書くので、伝わる方にだけでも良いかなと。
では、田舎移住する前に考えてほしい10個のことを経験談から書いていきます。
駅から遠い&飲み会が大変
これは完全にデメリット、とにかく遠い。ウチは最寄り駅まで30分です。「徒歩30分なら良くない?」て思いますよね、車です。車。最寄り駅が車で30分。
「引きましたか?」慣れれば大したことがないですけどね。飲み会の時が大変。
飲み屋は近くにないので駅近が会場になります。車なので運転代行は必須、でも家が遠いから合計で5千円もかかる。だから飲みにくいんですよね、飲み会開いても半分はソフトドリンクのお茶会。お酒好きにはちょっぴりつらい環境かも。お酒は飲まないよ、て場合も駅が遠いのはなかなか大変。友達と遊びにいくにしても、駅の往復で1時間かかります。
移住する前に駅からの距離はチェックはしておくべき。
車は家族分必要になる
車は必須アイテム、これが無ければ生活が出来ません。近くのスーパーまで自転車で行くとなると往復40分くらいかかりますからね。そのため、家族分の台数が必要になります。ウチは共働きなので2台です。子供は赤ちゃんなんでまだまだ先ですが、18歳になったら買ってあげなきゃなと。
子供が多い場合は大変ですね。無くても自転車で生活できる所を選ぶか、頑張って買ってあげるか。ここは事前に決めて予算化しておいたほうが良いです。
買い物するのが大変?
と不安な方は多いはず。ですが、Amazonや楽天のおかげで苦労したことはありませんね。頼めば数日で到着する、ありがとうネット通販!
とはいえ、実際に手にとって買い物するのは楽しい。家族と一緒ならなおさら。総合ショップで一番有名なのはイオンでしょうか、買い物施設が近くにあるってのは重要です。
イオンは土地確保のため、住宅密集地を避ける傾向にあるようです。ですので、車で30分以内であれば近いのかなと。ウチの場合は車で35分くらいの所にあります。映画も見れるしイオン様様!
大きな病院がある
かなり重要です、子供がいる人はなおさらね。移住前にチェックしておきましょう。もともと近くになかったので結構苦労しました。「何かあったら怖いな」と不安に思ってました。
数年前に大きな病院が近くに移転してきたので、かなり助かりましたね。運が良かったです。出産(妻)もその大きな病院でしました。近くて通いやすかったし陣痛時もすぐ着いたので助かりましたね。子供が病気にかかることも増えるでしょうし、移転してきてよかったなと。
個人が努力しても改善できない部分なので、「病院があるのか」移住する前に確認しておいた方が良いです。
葬式
今の地域にきて一番びっくりしたのが葬式、とにかく近所との関わりが強い。村八分という言葉がありますね、今では禁句なのかもしれませんが。これは、いろいろな理由から村のコミュニティーから外すけど、残りの二分(葬式、火事)はどんな時も助けますということ。
私がいるところは隣近所で葬式が発生すると、葬儀の手伝いをすることになっています。葬儀場の受付手伝い、棺桶を運ぶとか。1日は拘束されます。といっても昔とはだいぶ変わってきていて、かなり簡素化されたそうですが、そうした風習が残っています。
ド田舎にしかないって思ってましたが、意外とどこでもある。知り合いは、移住者が多くキレイな町に住んでいます。ですが、葬式だけは風習が強っているようです。葬式の日は近所全員が集まって、夜通し飲み会になるみたい。「仕事は?」と思うのですが、葬式を優先されるようですね。
ウチの周りの移住者は、葬式手伝いまでは強制されていませんし、だからといってとやかく言われてもおりません。葬式の形も変わってきてますしね。あくまで、こういう可能性があるかもってことは認識しておいた方が良いです。時代は変わってきているので風化はしていくでしょうけど。
1個だけ補足です。不安に思ったかと思いますが、村八分はもう死語だし、実際に無いから安心してくださいね。二世代前はあったようですが、空気も変わっています。居住者ウェルカムてところが多いですから。
子供の学力
あくまで私の考えですが、学力だけで考えると教育にはマイナスだなと。「育つやつはどこでも育つ」て考える方もいるでしょうけどね。一方で「井の中の蛙」という言葉が存在します。
たくさんの子供がいる中で競い合った方が良い、てのは誰もが思うことでしょう。孤島で1人だけの小学生。美談化されてテレビで取り上げられていますが、比べる相手がいないてのは可哀想。
誰しもが子供のときから「あいつに負けたくない」「1番になりたい」て思いはあったはず。田舎では子供の数はどんどん減っています。ウチも例外ではなく、一昨年に近くの小学校が廃校になりました。
「教育が出来ない」と近くの市へ転校した家族もいます。私自身は教育論者でもなければ、学力が全てとも思っていません。ですので、こういうリスクもあるよってことですね。
とにかく人は減っていく
田舎移住する人は増えていると書きました。とはいえ、減っていく人のほうが圧倒的に多い。高齢化が進んでいるから、不謹慎だけど亡くなる人はたくさんいる。一方で子供が産まれたって声はきかない。
「どこどこの家が亡くなって空き家になった」「だれだれの家族が引っ越ししていった」そんな話をよく聞きます。私は縁もゆかりもない土地でしたが、6年もいると愛着がわくわけでして、なんとなく悲しくなります。
「10年後、20年後にはどうなっているんだろうか?」と不安に思うことはあります。山奥で誰とも関わらず焼き物を作りたいて人、なら関係ないでしょうが限界集落にポツンと住むのは孤独でしょう。
虫が出るよ
私は虫がとにかく苦手。東京にいた時はゴ◯◯リを一度見ただけで、引っ越しを考えたほど。
ウソをいってもしょうがないので・・・
田舎には虫がたくさんいます。庭を見ればバッタやカマキリがたくさん生息しているし、夏には玄関にカブトムシがいたり。一般的には苦手とする虫たちも同じくらいいます。
でも人間は慣れる生き物で、かなり強くなりましたね。とにかく最初はつらかったですけど。ですので、今苦手な人も慣れていくんで大丈夫だと言えますね。保証しませんけど・・・。
小動物好きには良いかも
田舎には小動物がたくさん生息しています。ネコ、たぬき、狐、サギ、ヘビ(笑)など。
毎年5月にはツバメが飛んできて、巣づくり&子育てをしています。一緒に育てた気になるで楽しいですね。また、キジの一家が生息している森があり、近くを通ると家族連れでひょこひょこ歩いています。かわいいよね、ホント。
神奈川から遊びに来た弟夫妻の子供は、テンション上がりまくりでしたよ。子供にとっては小さな動物園。
仕事はない?
て不安に思う方は多い。でもね、ありますよ仕事。厳密にいうと求人数は少ないんだけど、働き手も少ないってこと。これだけネット社会になっても地域色はすごくて、かなりアナログな会社が多いです。私が簡単にエクセルで作っても「なにそれ、すげー」て。
地方から出る若手が多い分、こっちに残った人は重要な戦力なわけでして。さらに、都会の企業で働いていた時点でこっちでは即戦力なわけです。言い方は悪いですけどね、真実です。他では普通だったスキルも、こちらだと「エース」として重宝されることもありますよ。
ただ1つだけ。
「近くに、自分が理想の職場で、満足のいく給料」はほとんど無いよ、てことだけは伝えておきます。周りでも、車で遠くまで通勤する人は多いですね。
大変だけど「満員電車乗るよりはよいでしょ?」て思います。
最後に
「東京の一等地に戸建をプレゼントするけど引っ越す?」と言われたら・・・
私は断ります。
(ちょっと迷うけど 笑)
この記事を書いている。
たった今。
愛犬におやつをあげました。テンションが上って庭を走り回っています。そして吠えています。うるさいけど近所はお互い様精神、みんな犬買っています。自宅前の道路では、優雅にネコが歩いています。庭に入ってきて犬に追い返されました。
赤ちゃんが泣いています。妻があやしていますが泣き辞めないそうで、近所を一緒に散歩してくるようです。ベビーカーの振動は気持ち良いのか、ぐっすり眠って帰ってくるでしょう。
庭の木には鳥たちが止まっていて、木々と一緒に風にゆれています。
この記事を書き終わったら犬の散歩に行きます。今日は天気が良いので、夕暮れ風景が最高のあぜ道を散歩してきます。
夕飯は庭で作った野菜が使われます。時間があったら燻製もやるかも。
都会のあくせくした毎日よりも、こんなのんびりとした暮らしが好きです。
ここまで書きましたが、私は移住「推進派」でも「反対派」でもありません。経験から感じたことを書きました。
移住に関しての適当な声だけが溢れているので、「それだけじゃないリアルな声」があなたに届けば良いな、と思っています。